相続税額の計算方法

 

相続税の申告及び遺産分割を行うにあたって、各相続人の相続税額をどのように計算するのかを理解しておく必要があります。

 

今回は、基礎的な相続税額の計算方法、相続税申告の進め方を確認しましょう。

 

・相続税申告のスケジュール

   

 

相続税申告は、相続の開始を知った日から10か月以内に申告・納付を行わなければなりません。(「相続の開始を知った日」なので厳密にいうと孤独死をされて亡くなってから1か月後に亡くなったことを知った場合には、その知った日から10か月です)

 

なお、合わせて知っておかなければならないのは、この10か月までの間に期限が到来する手続きが複数あるということです。

特に被相続人の方が事業を行っていた場合には、所得税の準確定申告(事業を引き継ぐ場合には所得税の青色承認申請書)を4か月以内に行う必要があります。

 

また、相続対策・遺産分割を考えるにあたって重要なのは「相続税の納付は原則現金で納付しなければならない」ということです。

 

・相続税申告の進め方(税額計算)

 

 

①財産・債務の把握

相続税申告は被相続人の財産を正確に把握することから始まります。

一般的に亡くなった方の財産を全て把握されている相続人の方は多くないので、時間がかかり手間がかかる作業ですが最も重要な作業です。

また、この作業は税理士に申告を任したとしてもご自身で自宅等を探して預金通帳や土地の権利書等を探していただく必要があります。(金融機関の方に遺産整理も任した時も基本的には同様に、ご自身で預金口座がありそうな金融機関や不動産がありそうな市町村を金融機関の方に伝える必要があります。)

 

実際に申告作業を行っていると10か月の間に新たな財産が続々と出てきます。(先日の申告の際も申告期限のギリギリに預金口座や不動産の権利書が出てきました)

優秀な税理士は預金通帳の履歴を確認し、財産を推測して相続人の方に質問するという作業をします。

そのタイミングで相続財産が見つかることもあるので、相続税に強い税理士を選択する際のポイントにもなると思います。

 

②財産・債務の評価

個々の財産の評価の詳しい解説は、改めて別の回に解説しますが、財産の評価こそ税理士の腕の見せ所です。

 

特に不動産をお持ちの方の場合、この評価の方法によって税額が数十万円から数百万円変わってきます。

 

③相続税額の計算

相続税額の計算は上記のスライドの例を見ていただくと分かりやすいかと思います。

 

割とみなさんご存じないのが相続税額の総額の計算と各相続人の方の納付税額の関係です。

基礎控除については基礎控除を解説している回をご覧ください。

まとめ

 

相続税の申告は、一生に一度関わるかどうかの出来事なのであまりイメージがわかないかもしれません。

しかし、相続対策も「税額の計算方法」・「現金納付」・「財産の評価」というポイントを踏まえて行うものなので、相続税額の計算方法を理解しなければ、税理士が話す相続対策を理解することはできません。

相続税について疑問がある方はお気軽にご相談ください。